。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「リコー、こないだのCDサンキュな♪そんでもって今度違うの…」
扉が開くと同時に千里が顔を出し、そう言い終らないうちにピキッと身を固まらせた。
「よ♪おひさ~」戒はのーてんきに軽く手を上げて、
千里は今にも爆発しそうな勢いで肩を震わせている。
「りゅ、龍崎!ど、どーしてお前がここに居るんだよーーー!!!!」
ギャー!!!やっぱ、そうなる!?
「てめぇ何でちゃっかりリコの家でくつろいでんだよ!しかもキョウスケさんまで連れてきて!はっ!!もしやダブルーデート!?しかもおうちデートって!!」
放っておいたらどんどん千里の妄想が暴走する。
「ちょっと用があって急にお邪魔することになったんだよ」
あたしは慌てて千里を宥めるも、
「お前だって川上の家にしょっちゅう来てる感じジャン?若い男女が部屋でナニやってんだよ」
戒はにやりと笑ってわざと挑発する。
「ご、誤解しないでよ!あたしも千里もお互い男女の感情は持ってないから。こんなの男のうちに入らないし!」
と慌ててリコが否定して、視線をキョウスケの方を彷徨わせた。
当の本人は―――相変わらずの無表情。
「お前らだって一つ屋根の下で一緒に暮らしてるだろが!はっ!もしやお前朔羅を…」
と噴火しそうな勢いで千里の顔が急上昇に赤くなったので、
「こいつとは何もねぇよ!今はそれどころじゃねぇの!」
とあたしはい勢い込んだ。
「はぁ、怒鳴り声上げたから腹減らない?」と全く場の空気を読もうとしない戒が言い出して、
「そ、そうだね!うちでごはん食べてく??」とリコがやんわりと雰囲気を和ませた。
「この大人数じゃ迷惑だし、どこか外でも」とキョウスケが提案。
「んじゃ焼肉にしようぜ」
何か変な流れになってるけど~、話はトントン拍子に進んで、あたしたちは一旦リコの家を出ることになった。