。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



あたしの口の中に爽やかに広がるレモンの味。


「口直しの飴だってさ。レジで貰った」


戒の口からも同じ香りが漂ってきた。


「あたしのはイチゴだぁ」とリコが隣で笑って飴の封を切る。「キョウスケさんのは?」


「俺はグレープフルーツですね」と言ってキョウスケも同じように封を切っていた。


グレープフルーツ……ってちょっとシトラスに似てるよな。


そんなことを考えて、あたしは慌てて頭を振った。


そのことを考えるとキョウスケが何であたしにキスしてきたのか否応でもなく考えないといけないから。


「あ、あのさ!この後ど~する??」


あたしは空元気にみんなに話題を振った。


「ん~。まだ7時過ぎだよね。このままお別れなのは寂しい気がする」


とリコがちょっと眉を寄せる。


そーだよな、リコはせっかくキョウスケと居るわけだし。


「カラオケでも行くか?」と千里が提案した。


ナイスアイデア!千里♪


「カラオケ!行こうぜ~」


だけど戒とキョウスケは二人とも乗り気じゃないみたい。


「「カラオケ…?」」と二人して表情を歪めていた。


「何だよ、不服なのか?この人数だったらカラオケが手っ取り早いだろ?」


って言って、はっ!となった。


もしかして二人ともとてつもなく音痴なんじゃ!!





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