。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「キョ…キョウスケ…」
あたしはそろりと顔を上げると、キョウスケはいつも通りの無表情だった。
だけど少しだけバツが悪そうだ。
「すんません。俺の女や言うて」
「う、ううん!ありがと、助けてくれて!」
「俺の方こそ、おおきに」
へ―――…?あたしって何か感謝されることしたっけ?
首を傾けていると、
「俺のこと『そんな野郎じゃない』言うてくれて。しかも俺のこと探しに来てくれはったんでしょ?」
き、聞こえてたの~!!
わぁ!恥ずかしいっ!
いつも組のみんなには暴君だけど、外出ると何かそうゆうとこ聞かれたり見られたりするの妙に恥ずかしいんだよね…
赤くなった顔を隠すため、逸らそうとすると、あたしの両頬をキョウスケが包んだ。
そして決して強引でない手付きで、あたしを前に向かせる。
びっくりして目を開いて、キョウスケを見上げると、キョウスケは切なそうに眉を寄せていた。
「キョウスケ……?」
おずおずと名前を呼ぶと、出し抜けに
ふわり……
キョウスケの香りがを間近に感じて――
抱き寄せられた。