。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
びっくりして声も出ない。
―――でも恐怖や嫌悪感は抱かなかった。
キョウスケの腕の中はあったかくて―――戒と同じ柔軟剤の香りが香ってきた。
トクントクン…
とキョウスケの胸で心臓が波打っている。
早かったり、大きな音じゃなかったけど、腕に入った力にこいつの緊張を感じた。
「キョ、キョウスケ……?」
もう一度聞いてみる。
「お前酔ってるの?」
苦笑いをして押し戻そうとするあたしの力をキョウスケは力強い腕で包み込んだ。
細そうに見えるのに……(実際細いほうだと思う)でもその力は振りほどけないそうにもなかった。
「俺―――お嬢が……いえ、朔羅さんが―――」
キョウスケが言いかけたとき、
コンッ
グラスか何かが床に落ちる音がしてあたしは慌てて首だけを振り返らせた。
キモ金髪野郎が目を開いて、
その場で固まっていた―――