。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「なら良かった」
そう言って龍崎くんがするりと腕をあたしの肩から抜く。
「良かったって何が…?」
「朔羅のこと忘れるために、響輔を好きって言ってるんならちょっと考えてた。でもお前が少しでも響輔のことを男として好きなら、それでいいや」
ちょっと考えてた…ってこのヒトあたしが「そうだ」って答えてたらどーするつもりだったんだろ!
ちょっと怖くなって、あたしは龍崎くんから離れようとした。
「まぁまぁ♪とって食おうってわけじゃないんだし。大体俺女の子には手を上げないから安心しろよ」
手はあげないけど、違う意味で手は出すかな♪
なんて意味深に囁いて、それでもあたしの肩をまた引き寄せる。
手を出すって!あたし危うく犯されてたってこと!?
でも……龍崎くんの手はさっきの力強い腕じゃなくて、気軽な感じだった。
あたしはもう逃げようとはせずに大人しくされるがままにした。
「龍崎くんて、響輔さんのことホントに好きなんだね」
ふと思ったことを口にすると、龍崎くんはちょっと目を開いてまばたきをして、
そして恥ずかしそうに顔を背ける。
「好きじゃねぇよ。ただ大切なだけ」
くすっ
あたしはちょっとだけ笑みを漏らして、
「それが好きって言うんだよ。龍崎くんて天邪鬼だね♪」と勝ち誇った。