。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「選ぶのは朔羅だ。だけど響輔には渡さない。響輔だけじゃない、他の誰にも―――」
あいつに俺を選ばさせる―――
そう言い切った龍崎くんの淡い瞳に、金色の光を見た気がする。
すっごい自信……
って、思ったけど、龍崎くん自身本当はやっぱり不安なんじゃないかって気がした。
何て言うの?言葉に出して、それを実現させようとしてる感じ。
嫌いじゃないよ。そゆうの。
あたしは後ろ向きだから、すぐ諦めちゃうし、無理だと思うと足取りを止めちゃう。
だからそんな龍崎くんがちょっと羨ましいな。
「まぁあれだ。響輔が失恋したら、お前慰めてやってよ」
龍崎くんはちょっと勝気に笑った。
「朔羅が響輔さんを選ばないって?」
「当たり前だろ?俺が勝つ。お前もがんばれよ?今はまだ無理かもしんないけど、いずれ響輔がお前のこと好きになるかもしれねぇし」
「でも慰めるってどうやって?」
「さぁ」
龍崎くんは肩をすくめた。
「さぁって、幼馴染でしょ。どうしたら響輔さんが喜ぶか分かんないの?」
冷めた目で見ると、龍崎くんはちょっと意地悪そうに笑った。
「川上が裸で抱きつきゃその気になるんじゃね?」なんて他人事のように笑う。
「は、裸!?」
あたしが声を荒げたから、向かいの席で話中の千里と進藤先輩がびっくりしてこっちを見た。