。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
あたしは慌てて手を振ると、
「ううん!何でもない!!」と言った。そして慌てて声を潜めると、龍崎くんをちょっと睨んだ。
「はだか……なんて、できるわけないでしょ?」
「何だよお前、新品?」龍崎くんがにやりと笑う。
し、新品って!!!
な、何言い出すのよ~~~!!(怒)
真っ赤になって怒ろうとすると、龍崎くんはおもむろに腕のデジタル時計に視線を落とした。
「タイムリミットだ」
一言そう言うと、龍崎くんはさっきのふざけた笑顔から一転、真剣なまなざしで
「進藤。朔羅たちの様子見てきてくれね?」
と一言言った。
「いいっすよ。じゃ、ついでにドリンクのおかわりしてきます」
進藤先輩が立ち上がって、龍崎くんはグラスを軽く持ち上げた。
「おぅ。行って来い。ついでに俺もビールおかわり」
「了解っす!」進藤先輩は龍崎くんからグラスを受け取ると、足早に部屋を出て行った。
残された千里は、話し相手が居なくなったのか何となくこっちを見る。
「そーいやお前も朔羅のこと好きだったよな。強力なライバル出現だ。ま、お互いがんばろーぜ♪」
龍崎くんがにこやかに千里を見て、千里は
「ライバル?」と目をぱちぱち。
知らぬが仏、ってよく言うもんだわ。
がんばってね、千里。