。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「お前………」
戒は目を開くとと、あたしを凝視してきて、
「大胆だな」と一言。
は!!
あたしは何てこと!
慌てて手を離すも、それでもあたしはやっぱり戒の内ももに彫られた彫り物が気になった。
長さにして15cmほどだ。短パンだったらぎりぎり見えるか見えないかの位置。
黒い影の龍で、長い髭と猛々しい角が印象的なシルエットを描いている。
「お前……こんなとこにも紋があったのかよ…」
そー言えばあたしって戒の腰から下って見たことなかった。
いっつも長いズボン履いてたし、こんなほとんど裸に近い状態で一緒に居ることなんてなかったから。
「あれ?言ってなかったっけ?」と戒はケロリ。
「聞いてねぇよ」
あたしは苦い顔をして腕を組んだ。
体の内側に入れるのって相当痛いって聞いたことある。皮膚が薄いから?柔らかいから?どってでもいーや。でもそうらしい。
それでも…
そんな場所に“龍の彫り紋”を入れる覚悟を、ううん…きっとそれ以上の信念をこいつが持っていたことに―――
あたしは驚いたけど、
同時にそんな風にまっすぐ突き進む戒が―――
すごくかっこよく思えた。