。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


それからはまるで嘘のように大人しくなった朔羅は、それでもずっと俺に抱きついたまま。


嬉しいけど…何か違う?


「リコさん送っていきますよ。タクシーだったら四人まで乗れるし」そう言って響輔はタクシーを拾った。


唖然としている一ノ瀬と進藤にはそれぞれ徒歩で帰ってもらうつもりだ。


川上を家に送り届けるまで朔羅はまるで借りてきた猫のように大人しくしていた。


「それじゃリコさん。お嬢は俺たちがついてますから」と言って響輔が外で挨拶している。


「うん…龍崎くん、朔羅をよろしくね…」それでも心配そうに川上はタクシーの中を覗き込んできた。


朔羅は俺の隣で川上に、にこっと笑顔を返している。


ちょっと酔いがおさまった??


―――ってのは間違いだった。


「おい、運転手。出しな」なんて言いだして、運転席の後ろ側からドライバーの首に腕を回して締め上げている。


「お、おい!何してんだ」俺が慌てるも、


「うっせぇ!いいから出しな!」朔羅に威喝され、気弱そうな運転手が慌ててアクセルを踏んだ。


「え!ちょっと!」外に出ていた響輔が慌てて手を上げるも、


ブーン…


タクシーは響輔を置き去りにして走り出した。



それから数分後、






俺は何故か朔羅とラブホテルに入ることになった。





何故かって??




こいつが入るって聞かないからだよ!!




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