。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
と言う訳で俺は遠慮なく朔羅に抱きつこうと思ったが、当の本人は…
ZZZ……
ベッドに体を伏せて―――
心地良さそうにおねんね中だった。
―――
「……と言う訳だ」
俺の話を一通り聞いて朔羅は唖然。開いた口が塞がらないと言った感じで口をぱくぱくさせている。
「な…何てことを…」
顔に手をやって朔羅は苦しげに漏らした。
やっぱり昨日のことは何も覚えてないんだな。残念なような、やっぱりしなくて良かったような……
「お前がぐっすりおねんね中、俺は大変だったんだぜ?」ミネラルウォーターを飲みながら俺は恨みがましく朔羅を睨んでやった。
「た、大変て?」恐る恐る朔羅が聞いてくる。
「お前は殆ど裸に近いかっこで寝てるし、俺は自分の欲望と闘うために一睡もできなかった」
だから朔羅に背中を向けて眠ることにしたけど、こいつはよりに寄って後ろから抱き着いてくるから困った。
生き地獄?
明け方うとうとしかけたと思ったら、朔羅が起き出してきたから結局寝そびれたってわけだ。
「それよりお前川上に礼言っておけよ。お前は川上んちに泊まってることになってるから」
「へ?」朔羅が目をぱちくりさせる。
「俺もお前も、挙句の果て響輔までも理由もなく外泊したらさすがにマサさんたちが勘ぐるだろ」
「そっかぁ……」朔羅はちょっと苦笑いして
「ありがと」と布団を引き上げた。