。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
服を着ると、まだ頭痛がするのか朔羅は頭を押さえて苦しげに呻いていた。
その横で俺は響輔に電話。
俺はあいつとカラオケでオールしてることになってるから。
昨日朔羅が眠った後事情を話して、話し合った結果だ。
朔羅が眠ってしまったことを聞くと、響輔はあからさまにほっと安堵していた。
いくら俺でも眠っている女をどうこうするほど落ちぶれちゃいない。
でも……
ソファに体育座りをして頭を押さえている朔羅。むき出しの白い二の腕とか、ほっそりとした足首とか見ると……
ちょっとぐらい触っておけば良かったかな。なんて後悔も。
ホテルを出ると、朝日が眩しかった。清々しい朝……と言いたいが、
俺、何してんの?
好きな女と二回もホテルに行っておきながら二回とも未遂て…
――――
――
龍崎家の前で響輔と待ち合わせた。
こっちも寝不足みたいで、虚ろな視線を遠くに投げかけている。
「よぉ」ぼんやりと突っ立て居る響輔に声を掛けると、「おはようございます」とかすれた返事が返ってきた。
近くの喫茶店に三人で入ってコーヒーを飲みながら、
「昨日どこいたんだ?」と俺は切り出した。「まさか川上んとこ?」と聞くと、朔羅は「え?」と顔を上げる。
「まさか。金髪くんのとこに泊めてもらいました」とホットコーヒーを啜りながら、響輔は眠そうに目を擦った。