。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「ほんっとぉにごめん!!」
俺が戻ると、朔羅は顔の前で手を合わせて頭を下げた。
「いや……もぉいいよ。お前に驚かされることには慣れた…」
呆れたように言うと、朔羅は益々恐縮したように身を縮こめた。
それでも朔羅は俺の手を強く握ってきた。
「ごめん……」
眉を寄せていつになく真剣な光を湛えた視線を俺に向けてくる。
何に対しての「ごめん」なのか……
響輔と何かあったことに対してか?
それとも俺の気持ちに対してか?今更俺の気持ちに応えられないとか…
もし前者だとしたら、お前が謝ることは何一つない。
でも朔羅はいっつも真面目で真剣でまっすぐで、こっちが心配になるほど考え込むたちだから。
そこがいいところでもあるんだけど。
「大丈夫だ」
俺はちょっと屈みこんで朔羅の目線に合わせるようにすると、こいつの頭をぽんぽんと軽く叩いた。
朔羅は大きな目にほんの少しだけ涙を滲ませていた。
大丈夫だ
そんな気持ちを込めて、俺は朔羅に微笑みかけた。
響輔は無言でそんな俺たちを見ていたけれど、もう三人の中に流れる空気がいつもと同じじゃないことを
この場に居る誰もが思っていたに違いない。
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