。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
それでもあたしは内心の動揺を隠すように、ちょっと冷笑を浮かべた。
「男って好きでしょ?フェラーリ」
「いや。俺、車に興味あらへん。走ればええです」と鷹雄はさらりと無表情。
なんなのよ!何で話がそんなとこまで飛ぶのよ!!
これがこいつの作戦なのかしら。
苛々しながらも、あたしは自分のペースに持っていこうとわざと明るく口を開いた。
「敬語はいいわよ。同い年なわけだし」
「え!?タメ!」
ここで初めて鷹雄は動揺を見せた。
「ってか、何なのよ!!その反応は!!?」
「いや、もちょっと上かなって思ってて。サバ読んでへん?」
「そんなわけないじゃない!免許証見せようか!」あたしが怒鳴ると、鷹雄は急に口を閉ざした。
何て失礼なヤツ!!苛々したように免許証を探そうとして、はっとなった。
免許証にはあたしの本名や本籍地が載っている。
こいつ………
鷹雄は素知らぬ顔でタバコを吹かせていた。
落ち着いて、一結。こいつの訳分かんないペースにはまっちゃダメ。
あたしは深呼吸して自分を宥めると、改めて鷹雄の方に向き直った。
「それで取り引きなんだけど…」と言いかけたけど、鷹雄は上の空で
「雨降りそやなぁ」なんて空を見上げている。
こいつ……計算じゃなく素だ。間違いなく!!