。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
さっきのカーチェイスは面白かったけど、会話するとダメ。って言うか会話が成り立たない。
まだ鴇田の方が楽だわ。
一方的に取り引きを持ちかけたあたしがバカみたいだ。
「あんた、彼女居ないでしょ」取り引きのことを口に出すのは諦めてあたしが指摘すると、
「何故それを!」と鷹雄が虚を突かれようにびっくりして目を丸めた。
何か…ちょっと勝った?
あたしはふふんと笑うと勝ち誇ったように腕を組んだ。
「あんたみたいなマイペース男に付き合える女なんていないわよ」
「マイペース…よく言われるかも…」
「でしょうね。まだ虎間 戒の方が話が通じるしその分楽よ」
得意げになって言うと、鷹雄はちょっとため息をついた。
あら、落ち込んでる?
そう思って鷹雄の顔を覗き込もうとすると彼はいきなり視線を鋭くさせた。
「で、何をどう取り引きするつもりや?」
急に話題を変えられ―――今度はあたしの方が面食らった。
あたしこいつ苦手……って言うか嫌いかも。
ペースが合わないって言うか波長が合わないって言うべきかしらね。
それでもこっちの気持ちを悟られないよう、あたしはことさら何でもないように今度こそ写真を見せた。