。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
鷹雄はちらりと写真を見ると、
「この写真をどないするつもりや?」と聞いてきた。目に真剣な光が宿っている。
「金やったら悪いけど無理やで」
「金なんてせこいもんせびりますか。あたしはね、あんたに協力して欲しいだけ」あたしは鷹雄に笑いかけた。
鷹雄はちょっと考え込むように顎に手をかけて、あたしを真正面からじっと見据えてきた。
いつの間にか消し去っていたタバコが地面でまだ煙をくすぶらせている。
「あんただって龍崎 朔羅を手に入れたいんでしょ?だったら話は早いじゃない。あたしたちが手を組めば、お互いの望むものを手いれられる。最高の協力者になれない?」
ちょっと意味深に微笑んであたしは鷹雄の形の良い顎に指を滑らせた。
鷹雄はちょっと考えるように目を細めて、ふっと微笑んだ。
交渉成立―――
所詮こいつも男だったわね。
簡単に話がついたことにちょっと不満を感じながらも、それでもうまくいったことには変わりない。
だけど鷹雄は―――
あたしの手をやんわりと振り払った。
「悪いけど、そんな話なら受けられん」
「なんですって!」
あたしが眉を吊り上げると、
「そうゆう卑怯な手段はどうも好かん。好きな女ぐらい真正面から堂々と手にいれたいんや」
鷹雄の黒い瞳は夜の闇のように深い色をしていたが、その奥にはきらりと光るものがあった。