。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
絆―――………
キョウスケはちょっと恥ずかしそうに目を伏せると、「俺、風呂入ってきます」と言ってタバコの火を消しゆっくりと立ち上がった。
あたしは慌ててその手を止めた。
キョウスケがびっくりしたように目を開く。
「あたしたちは兄弟盃を交わしていない。だからお前とあたしの間に極道の繋がりなんてねぇよ」
あたしの答えにキョウスケがちょっと眉を寄せた。
「だけど―――あたしたちにはそれ以上の―――…血以上の強いつながりがある。お前の言う絆とはちょっと違うけど、だけど永遠にそれは存在する」
あたしの言葉にキョウスケは目を開いて止まった。
でもすぐに、ちょっと悲しそうに口元を緩めた。
「俺がお嬢を好きになった理由―――そうゆう温かくて優しいことに溢れてるお人やからです」
すんません。風呂入ってきます。
キョウスケの声はちょっと震えていた。
するりとキョウスケの手が、あたしの手からすり抜けて―――
あの熱い温度が掌から抜けていく……
今度はあたしも止めなかった。
キョウスケ―――……
ホントにごめん。
でもこんなあたしを好きになってくれてありがとう。