。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。

風邪!?



◇ 風邪!? ◇


――――

――


朝6時にあたしは布団から起き出して、いつものように朝食作りに励んだ。


トーストとチーズ入りスクランブルエッグ。カリカリに焼いたベーコン、それからジャーマンポテトも添えて。


料理をしていると―――いっとき忘れられる気がした。


忘れてはいけないのに。


それでも


「おはようごぜぇます。あれ?何か今日はあさから豪華っすね~」とのんびりとしたタクの声を聞いてあたしはビクリと肩を揺らした。


時間を見ると、7時過ぎだった。タクをはじめとする貸金業に出勤する連中が起き出して来る時間だ。


いつもならキョウスケもこれぐらい―――


なのに、あいつの姿はなかった。


え……ホントに出ていっちまったの……?


一抹の不安が過ぎって、あたしはタクの後ろ側に目を向けた。


「……………おはようございます」


寝起きのちょっとかすれた声を出しながら、ふいにタクの背後からのっそりとキョウスケが姿を現した。


Tシャツにハーフパンツ。


伏せ目がちになって欠伸を漏らしている。


いつも通りの―――光景だった。


「お、おはよ!」ぎくしゃくしながらも、あたしは何とか挨拶をかました。


するとキョウスケは寝起きのせいなのか虚ろな目をちょっと上げて、


「……相変わらず、朝から元気ですね……」と無表情に一言。





え―――!?超いつも通りなんですけど!!





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