。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
ふらふらする足取りで廊下を歩くキョウスケを見送って―――あたしは慌てて台所の食器棚の下にある薬箱を漁った。
風邪薬、風邪薬―――……
あ、そだ。薬飲む前に何か食ったほうがいいよな。
って言っても食欲なんてまるでなさそうだし。
でも弱ってるときだからこそ、栄養のあるもん食わせないと。
そう思って野菜いっぱいの雑炊を作っているときだった。
「……はよ~…」とのんびりと欠伸をしながら戒が台所を覗いてきた。
「何だよ、おめぇ随分早いじゃねぇか。昼からだろ?」
いつもギリギリまで眠りこけているはずなのに、こっちも随分早起きだ。
って言うか寝てない??髪には寝癖がついてなかったし、寝起きだというのにパジャマに皺の一つももついてなかった。
寝起きの姿なのに、寝た形跡が見られない。
「あー……なんか目ぇ覚めちまって」と戒は大きな欠伸をしながらも、鍋の中を覗き込む。
「雑炊?誰か具合でも悪いのか―――?」
戒の質問にあたしはちょっと上の方を見て―――
「それがさぁ……」
と、キョウスケが熱があることを話した。