。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
きゅ~ん……
あたし戒のこうゆう可愛いとこもすっごく好きなんだよね。
でも…
「さすがにキョウスケの迷惑だろ?おめぇは自分の部屋で寝ろ」ちょっと怒ると、
「響ちゃんと一緒に寝る」なんて子供みたいなわがまま言いだした。
当の本人キョウスケは言い返す気力すらなく、ぐったりと目を閉じている。
そしてその横にぴったり寄り添った戒もすぐに寝息が聞こえてきた。
寝るの早っ!
まったく―――羨ましい限りだぜ。
でもまぁ幼馴染だし気心が知れてるだろうから、今は二人をそっとしておいてやるか。
そう思い、あたしはキョウスケの枕元に腰を降ろした。
「キョウスケ…雑炊だけど食えるか?食欲ないと思うけど、ちょっとは食って栄養つけなきゃ。それに薬も飲まないとだめだし」
うっすらと開いたキョウスケの切れ長の目尻に涙が溜まっていた。
ぎょっとしてその場で固まると、「……熱で瞼が熱い……」とキョウスケがこぼした。
あ、ああ…そゆうことね。
あるある。高熱出すと目が異様に熱くなって涙出てくるんだよね。
って、最近あたしも高熱だしてねぇからあんまり覚えがないけど。
「相当だな、お前。昨日ちゃんとあったまったか?」
「……ええ、まぁ……」と曖昧に頷いてキョウスケは起き上がろうとした。
「えっ?え?」とこっちがびっくりしていると、
「……雑炊作ってくれはったんでしょ?食って薬飲んで寝ますさかい。お嬢はバイト行ってください。ガキじゃあるまいし、一人でも大丈夫です」
「こ、こんなお前残して行ける訳ねぇだろ!」
あたしは俯きながらもちょっと勢い込んだ。