。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「何あれ!?二人仲良く寝てる~」
と声を潜めながらも、リコはちょっとはしゃいだ声を上げた。
「ああ…。あれは戒が勝手にキョウスケの布団に入り込んだだけで」
「可愛い~♪寄り添ってるし、何か子供のお昼寝みたい!」
まぁ確かに……
戒はキョウスケの肩あたりに顔をくっつけて、二人とも眠っているようだった。
戒もキョウスケも互いに安心しきったような、無防備な寝顔だ。
こうやって見ると…ぬいぐるみが横たわってるみたい…
「写メっていい?♪」とリコはいつの間にかケータイを手にしている。
二人の仲いい寝顔を写メに収めてリコはご機嫌だった。
あたしは茶の間でお茶を出しながら、
「あたしは最初キョウスケが戒にべったりかと思ってたけど、逆だったみたい。戒がキョウスケのことすっげぇ好きで、いっつも追い掛け回してるって感じ」
「追い掛け回してる?」
「ほら、たまにいるだろ?でっけぇ犬がちっこい犬のことを好きで好きで追っかけまわしてるのを。ちっちゃい犬の方は逃げてるんだけど、それでも大きい犬はちっちゃいのが好きで追い掛け回してるって」
「ああ♪何かわかりやすいかも。でも響輔さんも龍崎くんのこと好きだよね。あ、変な意味じゃなくて」
「ああ、そんな感じだよな。思い合ってる気がする」
立場は違うけれど―――それはあたしと叔父貴の関係に似てるのかな…
互いを必要とする思いは強大で、まるで引力のように引き付けあう。
離れていても、近くにいても互いを大切にする気持ちは深くて強い。