。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「朔羅に触ンじゃねぇ!」と今度は戒の脚がメリっとタイガの顔にめり込んだ。


戒があたしを抱き寄せるように引っ張ると、あたしは戒の腕にしがみついた。


「お、おめぇ女もイケるんかよ…」恐る恐る聞くと、タイガは戒の蹴りにもめげずに、にこにこ。


「まったくダメってわけじゃないよ。僕は可愛い子が好きなんだ。タイプはヒヨコちゃんだけどね」


と妖しく笑ってキョウスケにウィンクを投げかけていて、キョウスケは顔を青くしたまま、また布団の中にもぐりこんだ。


リコがタイガの前に立ちふさがるかのようにさっと両手を広げてタイガをに睨んでいる。


「まぁ君たちに免じて、取引きをせずとも試写会に連れていってあげよう♪二枚あるから僕とウサギちゃんで♪」


と、タイガはまたも試写会のチケットをひらつかせてあたしの肩を抱き寄せる。


「触ンじゃねぇ!」そう怒鳴って、腕を払うと、


「冷たいな。でもそうゆう激しいところも好きだよ~」とタイガ。


マジで変態野郎だぜ。


「さ、朔羅を変な目で見ないでくださいっ」とリコが怖がりながらも勢い込む。


その変態タイガの野郎の肩をちょんちょんつついて戒が手を合わせた。


「タイガさん…僕も行きたい…僕も連れてって」


うるうるおめめでじっと上目遣いでタイガを見つめる戒。


ぅおお!おめぇは何でそんなに可愛いんだよ!男のくせにっ!


ってかどーしたんだよ、急に!と思っていると、


「…ヒツジちゃん…何て可愛いんだ!ヒツジちゃ~~~ん!」タイガが狼になって戒に襲い掛かろうとした。


それを戒はさっとうまくかわし、


「隙ありっ!」と言うと、ぱっとチケットをタイガから取り上げた。


「二枚あるから、俺と朔羅で行けるな~♪」なんて低く笑って、あたしの肩をぐいと引き寄せる戒。



あ、悪魔!?やっぱ二重人格―――!





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