。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
恋の味!?
◇ 恋の味!? ◇
あたしはリコの隣に腰を下ろして、
「なんかごめんな?騒がしくて。びっくりしたろ?」とリコに小さく謝った。
「ううん…」リコがゆるゆると首を振り、思い直したのかちょっと考えるように首を傾けた。
「びっくりした…ヤクザの人たちってもっと怖いのかと思ったら…何か変わった人が多いね」
「いや。あいつらが特別変なヤツだ。みんなもっとマシだよ」
あたしが腕を組んで唸ると、リコは小さく笑い声をもらした。
「龍崎くんも響輔さんも、ヤクザには見えないよね。爽やかだし」
「爽やかかぁ?キョウスケはそうだけど、戒はエロいよ?」
眉間に皺を寄せると、
「あれぐらいの男の子ってそうなんじゃない?」と妙に落ち着いた答えが返ってくる。
「あたしたちの年齢ってさ、一番恋をして一番恋を楽しんでる年齢じゃない?龍崎くんもそういう意味じゃ朔羅に一生懸命なんだよ。
触りたいとか、キスしたいって当たり前の感情で、それが普通なんじゃない?
女の子だってそうだし」
「その通り!彼は至って健康男児!」すぐ近くでドクターの声が聞こえて、あたしはヤツを睨んだ。
ドクターは手際よく点滴の準備をしながら、
「私のことは気にしないで、どうぞ話をすすめたまえ」とにこにこ。
あたしが顔を戻すと、リコは穏やかな微笑みを浮かべてキョウスケの寝顔を見つめていた。その横顔を見つめて、あたしはちょっと俯く。
ちょっとだけ体をずらすと、リコのすぐ隣まで迫る。
リコが不思議そうに顔を少しだけ上げた。
あたしは眠っているキョウスケに視線を落として、
「あのさ。
あたし、キョウスケに告られたんだ」
と、とうとう言い出せなかった言葉をつむいだ。