。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
あたしの言葉に、リコはちょっとだけ悲しそうな表情を浮かべると、無理やり笑顔を浮かべた。
「そーゆうとこが優しいって言ってんの。朔羅は鈍いんだから」
軽くでこピンされて、あたしはおでこを両手で押さえた。
「でも…気持ち悪いとか思わないでいてくれるの…?」
リコが心配そうに顔を曇らせて、あたしを覗き込む。
「そんなん思うワケないだろ!」
思わず勢い込むと、リコは安心したようにほっと胸を撫で下ろした。
「あたしは、朔羅と龍崎くんが幸せになってくれればそれでいいの。朔羅が笑顔だったらあたしも幸せ。
朔羅が悲しんでると、あたしも悲しいし。
だから二人を応援してる」
そう言って、再びぎゅっと手を握られた。
さっきと同じ熱い体温で、それが妙に安心できた。
「あたしもキョウスケさんと付き合えるようがんばる!だから応援して」
そう言われて、あたしは大きく頷いた。
「当たり前だろ!?リコとキョウスケすっげぇお似合いだぜっ」
「ほんと~??それは嬉しいかもっ♪」
あたしはちょっとだけキョウスケの方を向くと、口元に笑みを浮かべた。
「キョウスケはさ…すっげぇ優しいヤツなんだ。すっげぇ頼れて、すっげぇ大切にしてくれる。
ホントにいいヤツだからさ。
あたしの大切な人……リコと付き合ったら、それはあたしにとっても幸せで。
だから二人がうまくいくことを祈ってる」
ぎゅっとリコの手を握り返すと、リコの手が弱々しくあたしの手を握り返してきた。
「ありがと。朔羅。大好きだよ」
「あたしも」
スン…
どこからか鼻をすする音が聞こえてきて、あたしたちは揃って前を向いた。
「青い春……美しいですね。実にいいものを見られた」
ハンカチで目元を押さえている、ドクター鴇田の姿が目に入り、
そー言えば、こいつが居るのを忘れてた!!
と、今頃思い出したあたしたち。