。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
オトシマエ!?
◇ オトシマエ!? ◇
―――
「どうゆう状況か説明してもらおうか?鴇田」
叔父貴はあたしたちを誰一人としてこの部屋から出すことを許さず、鴇田とタイガを壁に立たせていた。
タイガは顔を蒼白にさせていたし、鴇田は―――目を開いたまま、石のように身を固まらせている。
どうやらここに鴇田が来たのは叔父貴の指図ではなく、鴇田の独断だったみたい。
「もう一度聞く。これはどういうことだ?」
叔父貴の低い声は、いつになく真剣で迫力があり腹の底で低く響いた。
ドキリ…として思わず戒にしがみつくと、戒は叔父貴から目を離さずそれでもあたしの肩を優しく抱き寄せてくれた。
「申し訳……ございません…」
鴇田の抑揚を欠いた声が聞こえてきて、あたしたちは向き合っている二人を見た。
「お前が探しているのはこれだろう?」
叔父貴はスーツのポケットから透明の小さな袋に入ったピアスの片方を取り出し、鴇田の前に掲げる。
それは金色の大きなフープのピアスだった。
何で叔父貴がそんなものを―――…?
同じことを思ったのか、鴇田が目を開いてわずかに口を開く。
「イチが俺に渡したものだ。お前が今日ここにくることもあいつが教えてくれた」
イチが―――……?
あたしと戒は揃って顔を合わせ、床に座り込んだままのキョウスケも何がなんだかわからないと言う様に目をまばたいている。
叔父貴がわずかに腕を振り上げた。
その数秒後には―――
バンッ!!
叔父貴の平手が鴇田の頬を打った。