。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「だけど川上~、まさかそれを伝えに来ただけ?」
もはや興味を失ったのか、戒がアイスコーヒーを音を立てて飲み、遠くの方を見ていた。
「ち、違うの!じ、実は…その…一緒に来て欲しいって言うか…」
またももじもじするリコを見て、あたしと戒は顔を見合わせた。
「それってダブルデートってこと??」
「だ、だって、キョウスケさんと二人きりなんて…まだ緊張するし……それに何を話していいか分かんないし…」
「緊張するってキョウスケに?」
あたしは目をまばたいた。
「あいつは何話しても大抵ちゃんと聞いてるし、聞いたら答えてくれるぜ?気負うことないって」
と気のない返事で戒は花火大会のチラシを手に取り眺めている。
「ま~…そうだよなぁ。あたしもあいつに緊張を覚えたことなんて一度もないや。むしろあたしが振り回してるけど、あいつ文句も言わずにちゃんとついてきてくれるし」
「そうそう、俺もいっつも自分のことしか喋らん」
「もぉ。どんだけ自由人なのよ!二人とも」
リコがちょっと頬を膨らませる。
でも…まぁダブルデートとは言え、あたしあんまりちゃんと戒とデートしたことってないから、ちょっと行ってみたかったり…
でもキョウスケも一緒となるとな~…
でも戒とデートしたい!
ちらりと戒を見ると、戒はふてぶてしく口の端を吊り上げて、
「花火大会っちゃあれだな?浴衣だよな??お前浴衣着てこいよ」
なんてあたしをエロい目で見る。
前言撤回!
野獣戒!!
こんなエロ戒の前で浴衣になんかなったら、三秒で脱がされるに決まってる!