。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「浴衣かぁ。キョウスケさんって浴衣好き?」
上目遣いで聞かれて、あたしと戒はまたも顔を見合わせた。
「「めっちゃ好きだぜ」」
思わず声を揃えて返事をすると、リコは嬉しそうに両手で頬を包んだ。
「だけど川上~気ぃつけろよ?あいつ和服好きだから、変なところに連れ込まれるなよ~」
お前じゃないし!と戒に突っ込みたかったけれど、そう言い切れないあたし。
「きょ、キョウスケさんならいいかな…」
リコまで顔を赤らめる。
重症だ、こりゃ。
――――…
結局リコは、あたしと戒が終わる時間まで待っててくれて、帰りは三人で帰ることにした。
「ってもあたし浴衣持ってないしなぁ」
最初は嫌がったけど、だけど浴衣デートって何かロマンチックじゃね??
戒と手を繋いで出店回ったり~、肩を並べて花火を見上げたり~♪妄想は果てしない。
「あたしの貸すよ~。着付けもお母さんに頼むし」
なんて、もう行くこと前提になってるし。
「俺も着付けできるぜ?おかんの手伝うこと良くあるし~」
なんて戒が言い出し、
「いや、お前は出来上がる前に食われそうだから遠慮しとく」
「食っ!!」
リコが口をぱくぱくさせて、その隣で戒が舌をべっと出している。
否定しようよ、そこ。
そんなわけで何となく花火大会に行くことが決まって、気付いたら駅だった。