。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「後悔って…あたしが?」
再び戒を見上げると、戒が今度はちょっと寂しそうに笑った。
「どうして追いかけなかったんだろう。どうしてもっとちゃんと話さなかったんだろう。って顔に書いてあるぜ?」
「え゛!?」
あたしは慌てて顔を押さえた。
戒がぷっと吹き出して笑い声を上げる。
「んなわけねぇじゃん。ただの勘と、経験だ。いっつもお前はそうやって後悔してるからな。
特にあいつに対してはいっつも聞きたいこと聞けずにいるだろ?大事なことだろうと、なかろうと」
笑われたけど、だけどそれが的を射ていてあたしは恥ずかしくなった。
「お前は、何でそんなにあたしのことを知ってるんだよ。は!もしやストーカー!?(そいやぁ風呂覗かれたしね※Cherry Blossom 参照)」
「恋人のことを知ってるのはストーカーじゃないの」
戒は明るく笑ってあたしの手を強く握ると、再び歩き出した。
“恋人”……なんていい響きなんだ!!
引っ張られるようにして慌てて足を踏み出し、おずおずと戒を見上げると、さっきの寂しそうな表情は消えうせていた。
「花火大会楽しみだなぁ♪俺、実は花火大会初体験」
「初体験?マジで?お前は彼女がいっぱい居ただろうし、そーゆうとこ慣れてると思ったけど」
探るように聞くと、
「だって俺人いっぱいなとこ苦手」
なんて言いやがった。
相変わらずの俺さまっぷりだな……
「じゃあ今回も渋々なのか?いいよ、無理しなくても」
リコとの約束はあるけど、イヤイヤ来られてもあたしがイヤだし。
そんなことを思いながら口を尖らせていると、ふいに戒があたしの腕を強く引っ張った。
力強い腕にあっけなくあたしが戒の胸の中に納まる。
「なんっ!!」
「今回は渋々じゃねぇよ。相手はお前だし?すっげぇ楽しみにしてる」
肩を抱き寄せられて、耳元で甘く囁く声に―――あたしは…
カーン!
KO!!!