。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「後悔って…あたしが?」


再び戒を見上げると、戒が今度はちょっと寂しそうに笑った。


「どうして追いかけなかったんだろう。どうしてもっとちゃんと話さなかったんだろう。って顔に書いてあるぜ?」


「え゛!?」


あたしは慌てて顔を押さえた。


戒がぷっと吹き出して笑い声を上げる。


「んなわけねぇじゃん。ただの勘と、経験だ。いっつもお前はそうやって後悔してるからな。


特にあいつに対してはいっつも聞きたいこと聞けずにいるだろ?大事なことだろうと、なかろうと」


笑われたけど、だけどそれが的を射ていてあたしは恥ずかしくなった。


「お前は、何でそんなにあたしのことを知ってるんだよ。は!もしやストーカー!?(そいやぁ風呂覗かれたしね※Cherry Blossom 参照)」


「恋人のことを知ってるのはストーカーじゃないの」


戒は明るく笑ってあたしの手を強く握ると、再び歩き出した。


“恋人”……なんていい響きなんだ!!


引っ張られるようにして慌てて足を踏み出し、おずおずと戒を見上げると、さっきの寂しそうな表情は消えうせていた。


「花火大会楽しみだなぁ♪俺、実は花火大会初体験」


「初体験?マジで?お前は彼女がいっぱい居ただろうし、そーゆうとこ慣れてると思ったけど」


探るように聞くと、


「だって俺人いっぱいなとこ苦手」


なんて言いやがった。


相変わらずの俺さまっぷりだな……


「じゃあ今回も渋々なのか?いいよ、無理しなくても」


リコとの約束はあるけど、イヤイヤ来られてもあたしがイヤだし。


そんなことを思いながら口を尖らせていると、ふいに戒があたしの腕を強く引っ張った。


力強い腕にあっけなくあたしが戒の胸の中に納まる。


「なんっ!!」





「今回は渋々じゃねぇよ。相手はお前だし?すっげぇ楽しみにしてる」





肩を抱き寄せられて、耳元で甘く囁く声に―――あたしは…




カーン!


KO!!!




< 467 / 592 >

この作品をシェア

pagetop