。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
戒の甘い声はゆるやかに効くボディーブローで、戒の力強い腕にあたしは
一発ノックアウト。
腰から力が抜けてふら付くと、戒が慌ててあたしを支えてくれた。
「何だよ?貧血か?」
ちょっと心配そうに覗き込み、顔を近づけてくる戒をあたしは押し戻した。
「貧血じゃねぇよ!お前の(無駄な)フェロモンにヤられたんだよ!」
「そう?♪んじゃ、一発チューでもぶちかましとく?」
なんて戒はにこにこ笑ってさらにあたしを引き寄せる。
「バっ!!外だろっ!?それにもう家の近くだし誰かに見られでもしたらっ!」
なんて喚いて必死に抵抗していると―――
「お嬢?こんなところで何してるんですか?」
―――!!!
びっくりしてその場で固まり、恐る恐る声の方を見ると……
キョウスケが目を細めて突っ立っていた。
どうやらこっちもバイト帰りらしい。
「またお前かよ。せっかくいい雰囲気だってのに」
戒が不服そうに口を尖らせる。
キョウスケかぁ……良かったぁ、組のもんじゃなくて…
じゃなくて!!
キョウスケだよ!あたしこないだ告られたばっかだって言うのに、この雰囲気、超キマヅイ!!
慌てて戒を押し戻そうとしたけど、それより早くにキョウスケがあたしたちの元へ歩いてきて、
ぐぃー
戒とあたしの間を引き剥がした。