。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
顔を背けていると、
「ああ、あれ。可愛いじゃん♪」
と戒がにこにこしてあたしを覗き込んできた。
「ってか、何故お前が知ってるーーー!!?」
「なんでって、洗濯物その辺放ってあるだろ?お前のワードローブなんてもう頭ン中に入ってるよ。ついでに言うとサイズも♪アンダー65のシ…」
言いかけたところであたしは慌てて戒の口を手で塞いだ。
「それ以上言うんじゃねぇ!」
口を塞がれた戒は目をぱちぱちさせ、そして苦しそうにあたしの手を退けた。
「そんなこと気にしてたのか?可愛いやつめ♪」
そう言ってあたしの背中に手を回すと、再びパジャマの中に手を突っ込んだ。
な、何をするーーー!!
と叫びだしそうになったが、こいつはご丁寧にもホックを直してくれた。
そして改めて向き合うと、にっこり笑顔を浮かべた。
「そんなこと気にすることねぇのに」
なんて言って、あたしの頭を撫で撫で。
戒の手付きが思いのほか優しくて、今なら何でも打ち明けられる気がした。
あたしの素直な気持ちを―――
「気にするよ。
だって戒とははじめてだもん。
とびっきり可愛いのつけて、最高のシチュエーションでしたい。
あたしは嫌な思い出しかないから、戒とのことはきれいな思い出に残したいんだよ」