。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
ぶ、ぶっ殺す―――!!
あたしが目を開いていると、
「かかってこいや!」とこっちも穏やかじゃないキョウスケのドスを含ませた声が聞こえてきて…
サー…
あたしの顔から血の気が失せた。
『ガォーー!!』
虎が爪を立てて鷹に飛び掛り、
バサバサっ
派手な音を立てて鷹が威嚇している姿が安易に想像できた。
ここはサファリパークか!!
ドサっ
あたしの手の中から分厚いアルバムが落ち、あたしは思わず襖を乱暴に開けた。
「おいっ!てめぇるぁあ!!喧嘩がしてぇんなら外でやりな!!部屋が血まみれになったらどーしてくれるんだよ!」
怒鳴りながら襖を開けると、
それぞれ胡坐を掻いてキョトンとした二人がゲームのコントローラーを握りながら、呆然とあたしを見上げてきた。
「え…喧嘩……じゃ、ないの…??」
おずおずと聞くと、テレビ画面からドカンっと派手な音がして、
『You lose』
と無情な声が聞こえてきた。
「わ゛ーーー!!!」
戒はコントローラーを握ったまま、叫びだし、代わりにキョウスケはしたり顔でにやりと笑った。