。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「え!喧嘩じゃないの!?」
だってさっきあんなに険悪そうだったから…
「タクさんから借りたゲームですよ。二人でやってたら白熱してしまいまして」
とキョウスケが恥ずかしそうに俯く。
「だけど喧嘩をするなって理由が部屋が血まみれになるのがイヤって、お前もっと彼氏のこと心配しろよ。ま、お前らしっちゃらしいが」
戒が苦笑いを浮かべて、
「でも、お前の乱入で負けちまったよ。責任取れ!体で…」
なんて言って戒がぎゅぅとあたしを引き寄せる。
か、体でぇ!?
「お嬢が乱入しなくても戒さんは負けです。変な言いがかりよしてください」
と言ってキョウスケが戒の首の後ろを掴み、あたしを引き剥がしてくれる。
ほんっと虎だな!首の後ろ掴まれて、戒は急に大人しくなった。
「ところで、お前どーしたの?」
戒がさりげなくキョウスケからあたしを遠ざけるように腕を引いて、あたしは当初の目的を思い出した。
「あ、そうそう。蔵を整理してたら昔の写真出てきてさ~。お前見たいかな、って思って」
「昔の写真?」
「そ、母さんや親父、それから若い頃の叔父貴とかも載ってるぜ?」
「あ、それは俺も興味があるかも」
キョウスケがあたしの手元のアルバムを覗き込み、あたしは何となく気恥ずかしい思いでページを捲った。
一番最初に載ってたのは母さんの写真で、庭先にある白い百合の花を手に、百合と同じぐらい白いワンピース姿でこっちを向いて微笑んでいた。