。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
*戒Side*
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** 戒Side **
まったく、無防備なお姫様だ。
俺の腕の中で眠る朔羅を、俺は愛おしそうに見つめ、そして額にそっと口付けを落とす。
朔羅は胸の中に白いあざらし…マクラをぎゅっと抱きしめると幸せそうに口元を緩めた。
俺は朔羅の幸せそうで、可愛い寝顔を眺めてちょっと後ろめたい気持ちを覚える。
朔羅はキャンサーセンターの話を、信じたようだ。
俺が話した大部分の話は俺の仮定だが、事実だ。
ただ、キャンサーセンターについては
嘘。
素直な朔羅。
そこがまたこいつのいいところでもあり、可愛いところでもあるんだけど。
ただ、まだ事実を教えるわけにはいかない。
朔羅を傷つかせたくはない。
響輔と綿密な打合せをしておいて良かったぜ。
―――
――
――**数時間前**――
「キャンサーセンターのことをお嬢に言う!?」
響輔の驚きが湯船に張った湯の表面に波紋を呼んだ。
二人で肩を並べて湯船に浸かるなんざ何年ぶりだろう。
男二人で風呂に入るなんて、ぜってぇ嫌だったけど、致し方ない。
朔羅がどこで聞き耳立てているか分かったもんじゃないし、この場所が一番安全だと踏んだわけだ。