。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


――――



りんご飴にたこ焼き、金魚すくいに、射的☆


これぞ、Theお祭り!!♪


真夏の夜の下、屋台の明るい電飾や頭上に並んだちょうちんの明りで、視界がカラフルに色染められる。


方々から祭りを楽しむ声と、屋台からは祭り特有の祭囃子がラジカセから流れていた。


「射的だ!ねぇ朔羅!♪あのクマのぬいぐるみ可愛い~♪」


リコがはしゃいだ声を上げて指差した先を見ると、的になる段の隅にテディベアのぬいぐるみが置かれていた。


「ほんとだ~♪いっちょやってみるか!」


なんて意気込んで、腕まくりをするとあたしはライフル銃を構えた。


スチャッ


「ほ、本格的……!」


と、リコがまばたきをしてあたしを見つめてくる。


キョウスケは苦笑い。


しょうがないじゃん!


あたしは「できな~い」なんて可愛いキャラでもねぇし。


肩の位置で構えたライフル銃から、プラスチックの弾が発射され、


パンっ!


弾は見事テディに当たり、


「やった~♪朔羅すっご~い☆ありがと~♪」


とリコは大はしゃぎ♪


「こんなもんよ♪」


こんな可愛いリコを見れてあたしも嬉しかったけど…


は!


あたし何はりきってんだよ!!


今はキョウスケのかっこいいところをリコに見せ付けて、そいでもって


「響輔さんすご~い♪」なんてリコがはしゃいで、一気に距離を縮める作戦が……


ってか、その作戦今思いついたんだけどネ。


とにかく、二人の間をもっと縮めなきゃ!






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