。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
金魚すくい屋台の店員のチンピラみてぇな男二人組みがあたしを見ながら、
「龍崎組のお嬢でいらっしゃいますよね」
とチンピラ一人があたしを見て笑顔を浮かべる。
「誰だ、おめぇら?」
キョウスケ、知ってるか?ってな意味でキョウスケを見上げると、キョウスケも知らないという素振りで顔を振った。
青いハッピの袖からちらりと、彫りモンが見えた。
いかにも、という風情のチンピラたちにリコがキョウスケの背後に隠れる。
「浅田組のテッタっと、こっちはユウヤです」
浅田組……
じぃと二人のチンピラを見て、
「ああ!思い出したっ!おめぇら叔父貴に瞬殺されたチンピラども!」
あたしはぽんっと手を打った。
確か青龍会本部のコインパーキングで叔父貴と二人で居るところを、絡まれたんだっけね。
こいつら叔父貴の顔を知らなかったとは言え、怖いもの知らず(?)だな。
ま、こうやって見るとなかなか気が良さそうな感じはするけど。
「その節は申し訳ございやせんでした。まさか会長の姪御さんとは知らず、失礼なことをしでかしまして。あのときちょっとごたごたがあってイラついてたもんで…
普段はあんなんじゃないんすよ」
とテッタとユウヤがぺこぺこと頭を下げる。
「いや、あたしは気にしてないよ。ついでに言うと叔父貴も忘れてると思う。だから気にしない方がいいぜ?」
なんて笑うと、二人は顔を見合わせて笑った。
「そっちのイケメン兄ちゃんは誰で?」
とちょっと探るような睨みを利かせるような視線でキョウスケを見て、背後に隠れたリコがキョウスケのシャツの袖をきゅっと握った。