。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。

龍崎組!?



◇ 龍崎組!? ◇


「おいっ!てめぇら!!」


あたしが怒鳴り声を上げると、中尾組の連中が揃ってあたしの方を注目した。


「喧嘩がしたいなら、他でやりな!ここにはカタギだって大勢居る!それに金魚には何の罪もねぇだろぅが!!」


そう怒鳴ると、


「はぁ?何だてめぇ」


とチンピラが目を怒らせて、こっちに歩み寄ってきた。


「お、お嬢…」


テッタとユウヤが慌ててあたしを止めに入る。


この場を離れようとしていたキョウスケ、そしてリコも足を止めこっちを振り返った。


祭りを楽しんでいる他の客たちも、何事か気付く者がちらほら出てきた。


「おいテッタ&ユウヤ。金魚を助けてやんな」


テッタ&ユウヤに目配せすると二人は慌ててたらいを直しだした。


「何だ、このガキゃ?でもこいつなかなかいいツラしてんじゃねぇか。売り飛ばしたら高値が付きそうだぜ?」


中尾組のチンピラ一人が値踏みするようにじろじろとあたしを眺め、そしておもむろにあたしに腕を伸ばしてきた。


「お嬢!」


テッタとユウヤが叫ぶように、体を乗り出すより早く、あたしは中尾組のチンピラの腕を掴んで高く捻りあげた。


「いてっ!いってぇ!!」


チンピラが情けない声を上げる。


「てめぇ、何しやがる!!」


中尾組の連中が飛び掛ってきて、それを避けると、


ドガッ!




「彼女に触るんじゃねぇ!」




と、今度はキョウスケの強烈な拳が連中の鳩尾に飛んできた。






< 512 / 592 >

この作品をシェア

pagetop