。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
あたしはシマ争いをしている浅田組と中尾組、そしてこの町の人々の関係を簡単に二人に話し聞かせた。
「どこにでもあるんだな。シマ争いってのは。
内部抗争っての?白虎もやっぱりこうゆうのが表の問題に…ってか大ごとになってんだろ?
お前ら…ってか戒んとこ、大丈夫なの?」
「え?そうなの!」
詳しい事情を知らないリコが目を開いて、キョウスケを心配そうに見つめる。
当のご本人はまるで気にしてないように、マイペースにたこ焼きを食っていた。
「白虎は確かに後継者問題で内紛が起きてる状態ですが、
後継者問題といっても当の本人たち兄弟は仲がいいですよ?」
「でもよく喧嘩してるって聞いた。しかもあいつらの喧嘩ってハンパねぇよな」
なんて眉をしかめると、キョウスケは何か楽しそうに口元に淡い笑みを浮かべた。
「喧嘩って言っても、いつもプリンの争奪戦とか、“飼い猫と添い寝”権を取り合ったりとか…」
プリン…猫…??
「「レベル低!」」
思わずあたしとリコが口にして、キョウスケは面白そうに笑う。
何だよ……じゃぁ何で内部抗争が起きてるなんて噂が出回ってんだ??
解せない何かを呑み込むように、あたしはたこ焼きを一つ口に入れた。
「まぁ、あとは女性の取り合いとか―――?」
キョウスケが意味深に笑って、
「虎は、みんな龍の女の子が好きみたいですね。あ、鷹も混じってたかも」
ぐっ!!
キョウスケの言葉に、あたしはたこ焼きを喉に詰まらせた。