。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


あたしはシマ争いをしている浅田組と中尾組、そしてこの町の人々の関係を簡単に二人に話し聞かせた。


「どこにでもあるんだな。シマ争いってのは。


内部抗争っての?白虎もやっぱりこうゆうのが表の問題に…ってか大ごとになってんだろ?


お前ら…ってか戒んとこ、大丈夫なの?」


「え?そうなの!」


詳しい事情を知らないリコが目を開いて、キョウスケを心配そうに見つめる。


当のご本人はまるで気にしてないように、マイペースにたこ焼きを食っていた。


「白虎は確かに後継者問題で内紛が起きてる状態ですが、


後継者問題といっても当の本人たち兄弟は仲がいいですよ?」


「でもよく喧嘩してるって聞いた。しかもあいつらの喧嘩ってハンパねぇよな」


なんて眉をしかめると、キョウスケは何か楽しそうに口元に淡い笑みを浮かべた。


「喧嘩って言っても、いつもプリンの争奪戦とか、“飼い猫と添い寝”権を取り合ったりとか…」


プリン…猫…??


「「レベル低!」」


思わずあたしとリコが口にして、キョウスケは面白そうに笑う。


何だよ……じゃぁ何で内部抗争が起きてるなんて噂が出回ってんだ??


解せない何かを呑み込むように、あたしはたこ焼きを一つ口に入れた。





「まぁ、あとは女性の取り合いとか―――?」





キョウスケが意味深に笑って、


「虎は、みんな龍の女の子が好きみたいですね。あ、鷹も混じってたかも」




ぐっ!!




キョウスケの言葉に、あたしはたこ焼きを喉に詰まらせた。








< 519 / 592 >

この作品をシェア

pagetop