。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


ごほっゴホッ!


盛大にむせて、


「朔羅、大丈夫ー?」と優しいリコがあたしの背中を撫でてくれる。


「う、うん!大丈夫!!」


何とか答えてキョウスケを睨むと、キョウスケはそ知らぬフリで続けた。


「とまぁ、表だって後継者争いしているのは長老会の老子たちだけで、まだ年若い彼らの後継者になって白虎会を裏で操ろうってのが見えみえ。


本人たちもその思惑に気付いていますが、まだまだ虎間のおやっさんが元気なうちはそう簡単には政権が変わらないと思いますよ?」


「でも白虎会長(戒パパ)は噂じゃもう歳だって」


だけど写真を見た限りでは、引退するほど年齢がいってない気がした。


「それは老子たちが流した噂にしか過ぎません。自分たちの陰謀を隠すために、そこいらに吹聴してるわけですよ。


まぁ実際、白虎では組同士で派閥があるぐらいですらね。シマを巡っての抗争は絶えませんが。


でも…だから朱雀や玄武につけ込まれるんです」


「「は~~…なるほど!」」


キョウスケの分かりやすい説明にあたしとリコは揃って大きく頷いた。


「シマの大きさは権力の象徴。


土地が大きければ、またカスリ(上納金)の額が多ければ、そのシマを収める組は大きな権力を持つことになります」


キョウスケがリコに丁寧に説明をして、リコも真剣に頷いている。


リコのその横顔が真剣だった。


「あんま知らなくてもいいよ。ちょっと特殊だからさぁ」


なんて苦笑いをしたけれど、


「ううん!キョウスケさんの世界のこと、もっと知りたいの!」


と、リコが勢い込んだ。


リコの発言にキョウスケが驚いたように目をまばたき、そしてすぐにやわらかい微笑を浮かべた。


「俺のこと、恐ないんですか?」





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