。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



「恐くないです。あたし…キョウスケさんのこと知りたい」


リコが顔を赤くしながらも、囁くように呟いてキョウスケをはっきりと見上げた。


「…リコさん」


キョウスケも、リコを見て微笑んで……


な、何かすっげぇいいカンジじゃね!?この二人!


お邪魔むしは退散するわね~


なんてそぉっと後退しようとすると、


「リコさん!!やっぱリコさんじゃないっすか!!♪」


屋台の表からひょっこり顔を出したのは、



タクだった―――



やっべ!こいつの存在忘れてたよ!


「お前ら早く行けっ!」


あたしは二人を無理やり立たすと、強引に背中を押した。


「ど、どうしたの?」


とリコが不審そうにしていたが、


「いいから!あいつが来ると話がややこしくなるんだよ!とにかく行けっ」


あたしが強引に二人を送り出すと、入れ違いに


「あれ?さっきまでここにリコさんがいたような気がしたんですが…」


と、タクがきょろきょろと辺りを見渡している。


「お前リコ会いたさに幻覚でも見たんじゃねぇの」なんて返して、それでも疑り深いタクは辺りをキョロキョロ。


あたしも二人の行方を慌てて目で追ったが、さっきの騒動から一転、辺りは賑やかな祭りが再開されていて、人ごみの中で二人の姿は見つけられなかった。


遠くへ行ったようだ。


ほっと安堵して、


「ところで、何でおめぇら揃ってここに居るんだ?」と今更ながら聞いた。





< 521 / 592 >

この作品をシェア

pagetop