。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「恐くないです。あたし…キョウスケさんのこと知りたい」
リコが顔を赤くしながらも、囁くように呟いてキョウスケをはっきりと見上げた。
「…リコさん」
キョウスケも、リコを見て微笑んで……
な、何かすっげぇいいカンジじゃね!?この二人!
お邪魔むしは退散するわね~
なんてそぉっと後退しようとすると、
「リコさん!!やっぱリコさんじゃないっすか!!♪」
屋台の表からひょっこり顔を出したのは、
タクだった―――
やっべ!こいつの存在忘れてたよ!
「お前ら早く行けっ!」
あたしは二人を無理やり立たすと、強引に背中を押した。
「ど、どうしたの?」
とリコが不審そうにしていたが、
「いいから!あいつが来ると話がややこしくなるんだよ!とにかく行けっ」
あたしが強引に二人を送り出すと、入れ違いに
「あれ?さっきまでここにリコさんがいたような気がしたんですが…」
と、タクがきょろきょろと辺りを見渡している。
「お前リコ会いたさに幻覚でも見たんじゃねぇの」なんて返して、それでも疑り深いタクは辺りをキョロキョロ。
あたしも二人の行方を慌てて目で追ったが、さっきの騒動から一転、辺りは賑やかな祭りが再開されていて、人ごみの中で二人の姿は見つけられなかった。
遠くへ行ったようだ。
ほっと安堵して、
「ところで、何でおめぇら揃ってここに居るんだ?」と今更ながら聞いた。