。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
急に不安に……ううん、悲しくなってあたしの足取りは鉛のように重くなった。
キョウスケが貼ってくれた絆創膏がはがれて、鼻緒に密着してる肌が赤くこすれている。
「あーあ…痛いと思ったら…」
なんてちょっと屈むと、ぽつりと水滴が落ちて地面に小さな黒い染みが広がった。
「…はは、最悪。雨も降ってきやがった…」
笑ったつもりなのに、笑えなかった。
あたしの頬を伝い落ちるのは―――冷たい雨ではなく、
涙だったんだ。
戒―――…どうしてあたしの隣に居てくれないの?
戒がはじめての花火大会。
一生の想い出に、あたしが隣に居たかった。
うっとりするぐらいきれいな花火を見上げて、みっともないぐらい笑い合いたかった。
たこ焼きもりんご飴も、射的も金魚すくいも―――
全部戒と一緒にやりたかった。
―――……なのにあたしたちは離れ離れ。