。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
花火の時間が迫っているからだろうか、祭りの会場はさっきよりも人が多くて賑わっていた。
「はぐれるなよ?」
と叔父貴にしっかりと手を握られて…
ってか、はぐれようにも…はぐれたくてもこれじゃはぐれれねぇよ。
こりゃキョウスケたちを探し出すのも無理だな。
ケータイを取り出してみるものも、結局キョウスケに電話をすることを諦めた。
そのときだった。
あたしの手のひらの中で極妻のメロディが流れて、あたしは慌ててディスプレイを見た。
着信:戒
となっていって、あたしは目を開いた。
慌ててケータイを開き、耳に当てると、
『朔羅?良かった。琢磨さんと会えたみてぇだな』
と、こっちもいつもと変わらない様子の声だった。
「戒!おめぇ無事か!?ってか、何でドタキャンなんてしたんだよ!」
一緒に花火見たかったのに―――
その気持ちは押し隠して……
あたしの怒鳴り声に、前を向いていた叔父貴が振り返った。
あたしは慌てて無理やり笑顔を作り叔父貴を見上げると、叔父貴は一瞬だけ寂しそうに眉を寄せた。
―――って言うか、この場所に来てるのに何であたしのとこに来てくれないんだよ……
何で叔父貴に頼んだりしたんだよ。
あたし―――…戒のこと
分かんなくなったよ。