。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「鴇田の謹慎?ああ、一週間と言ったからなぁ。もう今日ぐらい出社してるんじゃないか?」
「出社してるんじゃないか、って適当だなぁ。ってか出社してるんだったら会社で顔合わすだろ?」
「あいつも毎日本社に居るわけじゃない。自分の事務所だって構えてるわけだし、そうそう俺にくっついてられる身でもねぇよ」
なんて叔父貴はあっさり。
「それはそうだけど、なんかいつも一緒に居るし、いっつもセットみたいだから」
「セットぉ?」
叔父貴が頓狂な声をあげてちょっと顔を歪めた。
「何だよ、その顔。あいつのこと好きじゃねぇの?」
あ、この場合の好きってのはラブッてことじゃないよ。ってそんなこと分かってるか。
「う゛ーん…好きって言うわけじゃないが、あいつは俺の一部だからな。
好きとか嫌いとかそんな感情持ったことないな」
一部………
な、なんかスケールでかいぜ!!さっすが、叔父貴!!
一部―――かぁ……
戒とキョウスケもそうなんだろうか。
お互い、自分の一部で……だからいっつもあんなふうに楽しそうで。
だけどぶつかるときは、二人とも全力でぶつかる。
だからこそ―――
「戒は叔父貴のようにはならないよ。
無抵抗のキョウスケの体を痛めつけたりするヤツじゃない。
それが出来るヤツじゃないし、あたしだってやってほしいと思わない。
叔父貴はこの世界のルールだと言ったけれど、それ以外に方法があったはずだ」
あたしは胸に手を当てると、意を決して叔父貴を見上げた。