。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「組長ぉ♪そんなに怒ると、鼻血出ちゃいますよ♪ただでさえ貧血持ちだってのに」
大狼は楽しそうに言って、さっさと自分のデスクに戻っていく。
む、いかん。
ただでさえ俺は血が少ないってのに、こんなヤツの為に一々頭に血を昇らせていては血が持たん。
しかし大狼のヤツめ……
よっぽどあの三人が気に入ったと見える。
「うさぎちゃんにひよこちゃんに、それからヒツジちゃん♪み~んな僕のものにならないかなぁ」
大狼が恐ろしいことを言い出したが、俺はとりあえず黙って大狼の戯言を聞き流すことに決めた。
一々突っかかっててはこっちの身が持たん。
「あ♪来週の血液型相性占いで僕はヒツジちゃんのAB型とベスト相性だ!(←ちなみに僕はA型です)」
四十路男が血液型占いを熱心に読んでいるのは気持ちが悪いが、
無視することに……
「ウサギちゃんとヒヨコちゃんは同じO型だったよね~、相性は二位かぁ」
無視無視…
無視………できるか!
「貴様と俺がベスト相性だ!?ふざけんじゃねぇ!!」
俺が再び机を叩くと、組員たちがそれぞれ自分のパソコンを頭上に持ち上げ、さっと席を立ちあがった。
本当に、俺たちのやりとりに慣れていて今更驚く者は居ないが。
手近にあったシルバー製のライターを投げつけてやると、それもあっさり大狼は避けやがった。
しかも意外なように目をまばたき、
「あれ??組長ってB型じゃなかったです??」なんて首を傾げてる。
「俺ぁAB型だ。ガキどもの血液型を知り尽くしてるってのに、自分んとこの組長の血液型を間違えるたぁどうゆう神経!この変態やるぉう!!」
今度こそ手近に投げ付けるものがなかったので、俺はパソコンの端を握った。