。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
ジャラッ!
何かが揺れる音がして、何の音か僅かに目を開けて確認すると視界の端に斜めに走った御簾が僅かに映った。
サラサラっ
竹の重なる音が静かな夜に響き渡る。
細めた目をゆっくりと開くと、斜めに走った御簾や、その向こう側に広がった星空、その影を吸い取ったような暗い影を宿した木々がゆっくりと視界を流れ、
トン…
叔父貴が畳に腕を付き、あたしは畳の上に倒されていた。
「叔父貴―――……どうして?」
不安げに眉を寄せて、叔父貴を見上げると、
ひんやりした畳の感触を背中に感じる間もなく、叔父貴がゆっくりと覆いかぶさってくる。
叔父貴の白いワイシャツから首元が見えていて、くっきりとした鎖骨がきれいな線を描いていた。
僅かな月明かりに照らし出された叔父貴の顔が、幻想的に浮かび上がり、そのまま流れるように近づいてくる。
キス―――…?
あたしは思わずぎゅっと目を閉じると、あたしの予想とは反して叔父貴はちゅっと優しく額に口付けを落とした。
「鴇田に言われたよ。
このまま黙っていていいのかって―――」
唐突に言われて、あたしは目をまばたいた。
鴇田―――…?何で今あいつの名前が出てくるの?
「黙るって何を―――?叔父貴……やっぱり、あたしに隠し事してたの?」
不安と緊張であたしの声は震えていた。
叔父貴は一体―――何を隠してるって言うんだ。