。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
胸の下あたりで締め付けられていた圧迫感が徐々に消えうせ、呼吸が僅かに楽になったときに気付いた。
叔父貴が帯を解いたことに。
「っ!!ちょっと待って!!叔父貴っっ―――」
あたしは精一杯の力を振り絞って、叔父貴の肩を押しのけた。
「どうした?」
叔父貴はすっかりいつもの余裕を取り戻して、冷静過ぎるほどの表情であたしを覗き込んできた。
「どうしたもくそもねぇよ。どうしちゃったの?叔父貴……」
「どうもしてねぇよ。俺は酔っても無いしトチ狂ってもない。クスリもやってなきゃ、ついでに言うと欲求不満でもねぇ。至って正常だ」
欲求不満……って……
ギャぁ!!何言い出すだよ!!
聞いてるこっちの方が顔から火が出そうになって、あたしは慌てて両手で顔を覆った。
その手を叔父貴の大きな骨ばった手が掴み、そのまま持ち上げられると、
手の甲にそっとキスされた。
「たった一度でいい。
俺に想い出をくれ。
お前の香りに満たされて、
お前の肌を、体温をこの体でしっかりと感じさせてほしい」