。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
□ ■ 玄武の男 ■ □
□ ■ 玄武の男 ■ □
はじめまして、読者諸君。
長きに渡るこの物語を読み進めてくれてありがとう。
作者に代わって私が御礼申し上げましょう。
さて、この物語りでは初登場の私ですが、そうですね―――名を玄蛇(ゲンジャ)とでも呼んでくだされば結構。
何々?変わった名字ですと?
ああ、良く言われますが、本名でね。と言っても旧姓ですが。
何十年も前に捨てた名をここで語るとは私も思いも寄らなかった。
ちなみに龍崎 朔羅が鴇田のことを影で“蛇田”と呼んでいますが、あれとは何の関係もないですよ。
名前から推測してもらうように、私は“玄武”の人間。
初登場と書かせてもらいましたが、私は物語りですでに登場している。
お気づきの方もいらっしゃるだろうが、
そう―――私はイチ…もとい一結の協力者。
私がイチのことを知ったのは本当に偶然。
運命の悪戯と申しましょうか。私には願ったりの好転機でした。
これで青龍、白虎―――そして朱雀の駒が揃った。あとは私の手で
王手を掛け、一気に“詰め”る。
―――と言いたいところですが、なるほど、面白い展開になってきましたね。
私はもうしばらくこの事態を傍観したいと思います。