。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
―――交差する運命。
平行する私怨と企み。
それぞれがそれぞれの想いを抱き―――求め、奪い合う。
人間なんて愚かであっけないものだと思いませんか?
人間同士を繋ぐのは絆だとか血だとか言う方もいらっしゃいますが、私には分からない。
何故なら、絆があり血が彼らを結びつけたとしても―――そこには常に裏切りが存在する。
カードの裏ではいつもジョーカーが不適な笑みを浮かべているように。
―――愛情なんてものは錯覚にしかない。
いずれ壊れる。いずれ終わる。
永遠なんてどこにも存在しない。
しかしながら―――心のどこかでそれが存在することを少しだけ信じている自分もいる。
―――交差するのは運命か、
それとも愛か。
青龍会本部の、あの長い回廊の中央で重なった二つの影のように―――
「朔羅―――」
龍崎 琢磨が愛しい者の名前を呼ぶ。
愛する人の名を呼び、彼女の小さな手に僅かに力を入れた。
その手が自分を受け入れてくれないことを知りながら、それでも彼は彼女を求めるだろう―――
どこまでも深く。
どこまでも遠く。
「愛してる」