。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
あたしは戒からぷいと視線を外すと、口を尖らせた。
「あ、あたしは!お前みたいに慣れてないから……その…テクニックとか…持ち合わせてないって……」
言わすなよ!こんなことっ!!
「はぁ!?」
戒の頓狂な声が降ってきて、あたしはまたも恐る恐る顔を戻した。
戒は乱暴とも思える手付きであたしの顎を掴み、ぐいと真正面に向かせる。
でもその手にちっとも嫌悪感を感じなかった。むしろ戒の手があったかくて、心地よかったんだ。
戒は真剣にあたしを覗き込んでいたと思いきや、またふっと表情を緩ませた。
薄い口元に笑顔を浮かべ、微笑みを浮かべるその顔にドキンとまた心臓が大きく跳ねた。
あたしは―――戒のこうゆう笑顔が好き。
「テクニックなんて必要ねぇよ。
必要なのは“愛”だ。
それ以外何も要らねぇっつの」
愛…Love…AI―――
またもあたしの頭の中で単語がぐるぐる。