。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「何やってるんですか」とキョウスケが戒の頭をはたいて、
「朔羅に触ンじゃねぇ!」って千里があたしと戒をべりっと引き剥がす。
「何だよ」とふくれっ面の戒。
「ってか、すげぇ。迫力がハンパねぇや。ってかホンモノ!!?」
と、唯一ワクワクした様子で戒の背中を覗き込んでいるのはキモ金髪野郎。
その背中には相変わらずの猛々しい牙を向いたホワイトタイガーが、今にもその背中から飛び出して襲い掛かってきそうな迫力を湛えていた。
しかも相変わらず均整のとれたきれいな背中。肩甲骨なんてくっきり浮き出ていて、天使の羽みたいだ。
「偽もんなわけあるか」
「痛そ~」
とリコが顔をしかめている。
「今は大丈夫だぜ?まぁ彫ったばかりは結構しんどかったけどな。熱とか出るしよ。な、響輔?」
急に話しを振られたキョウスケは、なぎなたを片付け途中の手を休めて振り返った。
「ええ、まぁ」
「そう言えばキョウスケさんの背中にもありましたよね。あたしもう一度見てみたい♪」
「俺も!見てみたいっ!!」
リコとキモ金髪野郎はワクワク目を輝かせて、キョウスケを見る。
まぁあたしだってまともに見たのは一回だけで、それも一瞬だったから気になるっちゃ気になるな。
「いや、見てみたいって言われましても…」
と、たじたじのキョウスケ。
よく考えればキョウスケは戒と違って露出狂じゃないからな。普通に考えて戸惑うのは当たり前のこと…
だけど
「見せてやれよ」と戒が口に笑みを浮かべてキョウスケを見ると、キョウスケは小さくため息を吐いて上衣に手をかけた。