。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「待って」
あたしは再び降りてこようとする戒の唇から逃れるように、首をよじった。
戒は不服そうにちょっと眉間に皺を寄せたけど、すぐに考え直したのかあたしの首元に顔を埋める。
柔らかそうな髪が首筋をくすぐる。
「いい香り。桜の香りや」
桜に香りなんてねぇよ。
って冷静に考えてる場合じゃない!
う、腕がびくりともしない。
凄い力。
脚の動きも…封じ込められてる。
こんなの―――
「待てって言ってんだろっ!!!このやるぉおお!!」
あたしは唯一自由になる頭を勢いよく振り上げると、戒の顎に頭突きを食らわせた。
ゴッ!と鈍い音がして、
「っで!」
怯んだ戒が後ろにのけぞり、そのお陰で自由になった膝をこいつの腹に一発お見舞いしてやった。
「ぃでっ!!!」と戒がうめき声を上げ、その場に引っくり返る。
ドタン!と派手な音がして、あたしは倒れたままの戒のパジャマの襟首を掴んだ。
そのまま掴み上げると、
「てめぇやってること強姦じゃねぇか!ぶっ殺されてぇのか!!」
と思わず怒鳴ってしまった。