。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


戒とキョウスケの喧嘩も気になるけど、目の前のきれいな食事や飲み物にあたしは一瞬で心を奪われた。


「旨そう!!これっ戒が作ったの!!?」


あたしは目を輝かせて、料理を運んでくれた戒を見上げた。


戒は苦笑いを漏らすと、


「まさか。俺ぁ料理なんてできねぇよ」と言い、また忙しそうに戻っていった。


料理苦手?


はじめて聞いたかも。そういや龍崎家の台所に立つところは見ても、あたしはあいつが包丁を握ってるところ見たことねぇかも。


「俺も戒さんも料理はまったくダメですね」とキョウスケがあたしのオレンジジュースにストローを差しながら、答えてくれた。


キョウスケ、何気に優しいな…って言うか慣れてる??


「へぇ意外…二人は頭いいし、何でもできるってイメージがあったけど」


「そんなパーフェクトじゃないですって。戒さんは高い所未だにダメですし、案外いいかげんですし」


「ああ、高所恐怖症だっけね?」ははっとあたしは笑い飛ばした。


リコの手作りアンケートに書いてあったことは本当だったんだ♪


なんか可愛いかも☆





「戒さんは―――……」




キョウスケはスパゲッティをフォークに器用に絡み付けて、ちょっと目を伏せた。


口元に淡い笑みを浮かべている。





「でもああ見えて、すごく一途なんです。俺なんかびっくりするぐらい、まっすぐで、愛する人を絶対に守りぬく…


そんな強い信念がある人ですね…」







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